争 議

2013/05/02
星翔高校分会 定年制改悪無効訴訟
 定年制の一方的改悪を許さず
  分会(原告)提案の内容で和解成立
星翔高校理事会は、定年年齢を65歳から60歳に引き下げる定年制の改悪を労使交渉の合意のないまま2011年度末に強行。60歳になる上野書記長に適用して、本人の同意はもとより、労使合意のないまま、一方的に上野書記長を賃金が専任教員の50%になる常勤講師にしました。
 分会は定年制改悪は組合つぶしの狙いもあるとして、上野書記長ら分会員4人が、定年制度改定無効を求め大阪地裁に提訴しました。
 裁判は口頭弁論が3回開かれ、その後、裁判官が和解協議を提案、原告・被告とも同意し、裁判所での協議を重ね、3月29日に和解が成立しました。原告が一定の譲歩しつつも、原告(分会)が提案した和解事項案を理事会が同意しました。
 高齢者雇用安定法と同一労働・同一賃金の原則など、今後の私学職場での取り組みに資する内容となっています。
和 解 条 項
 
原告らと被告は、被告の厳しい財政状況と新校舎建築の必要が生じる可能性等に鑑み、以下のとおり合意した。

1 原告らと被告は、被告における定年制について、定年を満63歳の誕生日の年度末とする。

2 原告らと被告は、平成25年4月1日以降の原告らの賃金等について、以下のとおりとする。
 
 (1) 原告らがそれぞれ満61歳の誕生日を迎える年度から満63歳の誕生日を迎える年度末までの間において、被告が、原告らの持ち時間数を減じる場合には、次のとおり賃金を減額する。

ア 持ち時間の上限が18時間(18コマ)の時は、賃金は基本給の100%

イ 持ち時間の上限が16時間(16コマ)の時は、賃金は基本給の85%

ウ 持ち時間の上限が15時間(15コマ)の時は、賃金は基本給の80%

エ 持ち時間の上限が14時間(14コマ)の時は、賃金は基本給の75%

 (2) なお、上記減収の補填のため、原告らから申し出があれば、被告は、原告らに対し、退職金を担保とする無利息貸付に応じる。
 
 (3) 原告らがそれぞれ満64歳の誕生日を迎える年度から満65歳の誕生日を迎える年度末までの間、被告は、原告らの希望により、原告らを再雇用する。その際の原告らの持ち時間は14時間(14コマ)とし、賃金は基本給の65%とする。
 
 (4) 再雇用後の原告らの身分・職種は教諭とし、被告は、原告らの授業のない時間帯における勤務を免除する。 

3 被告は、原告上野昭人に対し、平成24年4月1日以降の賃金について、本和解条項から算出される賃金と支払済みの賃金との差額を、平成25年6月末日までに、遡及的に支払うことを約する。

4 被告は、原告ら以外の教諭についても、平成23年4月1日以降の賃金について、本和解 条項条項から算出される賃金と支払済みの賃金との差額を、遡及的に支払うことを約する。

5 被告は、今後、財政上その他の理由により教員の労働条件の変更を求める場合には、教員らと誠実に交渉することを約する。

6 原告らは、その余の請求を放棄する。

7 原告らと被告は、本件に関し、原告らと被告との間には、本和解条項に定めるもののほかに何らの債権債務のないことを相互確認する。

8 訴訟費用は各自の負担とする。
                                             以 上





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